サディストたちの心理とハードSMの在り方
あなたが「サディスト」という言葉を聞いて思い浮かべる人物像はどういったものでしょうか?
いつも悪口や暴言や暴力行為が目立つ人でしょうか? それともたまにキツイジョークやSEXの時にたまに激しい責めをしてくれる人でしょうか?
サディストという言葉は単なる言葉、カテゴライズに過ぎないので、その解釈は実に多種多様です。
今回はサディストというのは具体的に何なのか、そしてそういったサディストたちがどのようにSMに関わるべきかを解説していこうと思います。
私自身のこれまでのサディスト研究の成果から言って、サディストには二通りのタイプがあります。
ひとつはパートナーとの信頼関係を大切にして、あくまでサディストを演じているだけの一般的なサディスト。
もう一方はパートナーを本気で痛めつけることに快楽を感じてしまう真症のサディストです。
あくまでプレイを楽しめる一般的なサディスト
一般的なサディスト、SM調教師の方々というのは、周りの人が思っている以上に神経質で思い遣りのある方が多いものです。
たとえば言葉責めで女性に暴言を吐いたり、裸の男性に金蹴りを加えていたとしても、このてのサディストさんたちはアフターフォローや事前の準備が完璧です。
ひどい発言や行為を行う前にちゃんとSMプレイであるという認識を共有、同意していたり、プレイのあとで反省会を開いたりするものです。
こういった気遣いやあくまでプレイとして一緒にパートナーと楽しもうという気配りがよく出来る人というのは、たとえかなり過激なハードコアSMを楽しんでいても、大きなトラブルや事故は起こりにくいものです。
しかもフォローもプレイも濃密なものになればなるほど、SMパートナーの信頼関係と快楽が比例して大きくなっていくので、とても楽しくて満足度の高いSMプレイを楽しんでいけるのです。
基本的にはSM調教に興味がある人はこういった一般的なサディストの在り方というものを目指すことが大切です。
病的で治療が必要な真症サディスト
一般的なサディストと違って真症のサディストというのは、本能だけでサディズムを実現する傾向があります。
SM調教でサド側に立つ人は当然ながら嗜虐性を持っており、人を苛めることに快楽を覚える性癖を持っているものです。
性癖や趣味と言うものは自由なものですし、SM調教の醍醐味そのものとも言えますから、当然この嗜虐性やドSな性癖は否定すべきものではありません。
しかし前述したように一般的なサディストは自分の過激な欲求をSM調教に昇華できるのに対し、真症のサディストはこれができません。
つまり女を平手打ちしたいと思ったら、しっかりと相手に同意を得る前にその場でいきなりビンタを炸裂してしまったりするわけです。
こういった行為は当然ながら同意がない上での一方的な暴力行為なので、普通に犯罪行為だと言えます。
ですから、真症のサディストというのはSM調教とはある意味一番無縁な存在であり、早急に治療が必要な人と言えます。
こういった人はたとえば有名な殺人鬼であるペーター・キュルテンなどが該当します。
彼のような人物は実際に誰かに致命的な暴力を加えることでしか性欲を解消できない病気を持っていたのです。
自己反省の繰り返しが大切です
これまでに解説したようにサディストというのは社会的に許容できる範囲の人とできない人が居るものです。
そして社会的な常識の範疇でSMプレイを行える人だけがハードSMに関わるべきで、常識の理解も他人への気遣いもできない人は治療を受けるべきなのです。
多くのSMに関わる情報サイトでも言及されていますが、自分は本当にマトモなサディストなのか?
SM調教の正しい在り方を実践できているのだろうか?と、たまに疑問を持って反省することがすべてのSM調教師にとって大切なことです。
これから、又は今後もSMプレイを全力で楽しんで行きたいと考えている方は、時折SMや自分の振る舞いについて深く考え直してみてほしいと思います。