引くほど事故が多いSM調教の問題と今後

SMについて学べば学ぶほどに目にする話題がSM調教によって起こる事故についての話題です。
実際問題、SM調教を行う中で起こる事故というのは世界中で多発しているものです。

たとえば海外でニュースになった有名な事件であれば、「ローマSM事故」と呼ばれるものがあります。
この事故は素人SM愛好家の男女が薬物やアルコールを摂取したまま緊縛SMを行ったもので、結果的に窒息による死者を出してしまったという事件です。

薬物摂取や飲酒の時点で日本ではあり得ないようなひどい事件と言えますが、実際のところそんな呆れて物も言えないような事故も実際に起きてしまう危険性を持っているのがSM調教なのです。

緊縛

とりわけ専門技術と安全対策が必要な緊縛調教はかなりの数の事故がこれまでに何度も起きています。
日本国内でもSM緊縛の中で縛られた側の腕の神経が麻痺したといったような事故はよく耳にするところです。

中でも最近起きた某自称プロ緊縛師による麻痺事故は、twitterなどSNSでも過激に批判されるなど比較的大きな話題となりました。
他にも有名人の謎の首吊り自殺や不可解な死の多くは報道規制がされているだけで、実際はSM自縛オナニーによる事故死であると噂されてもいます。

これらのようなSM調教に関わるさまざまな事故は、何故こんなにも多く起きてしまうのでしょうか?
今回はそのような疑問についてもっと掘り下げて考えてみてもらいたいと思います。

SMで事故が起こりやすい原因とは

そもそも今一度再確認してもらいたいことは、SM調教、SM文化というものは実にアンダーグラウンドと親和性が高く、マニアックな世界のものであるということです。
SMに関して国家が何らかの規定や決まりごとなんて現状作ってはいませんし、見た目としては医療行為に近い緊縛調教やピアッシングといった行為は、かなり法律的にもグレーゾーンの文化であると言わざるを得ません。

それゆえにSM調教に関わる者は原則として成人であり、自分の行動に対して責任を持つ、つまりは自己責任の考えをしっかりと受け止めることができる人間でないといけません。
ですから、実際にSMプレイの中で何らかの事故が起きたりした場合は、たとえ世間的には加害者とされている一方が悪いと言われるような場合でも、被害者とされているもう片方の責任もまったくないとは言えないものです。

過失相殺

これは裁判や刑法の考え方で言えば過失相殺と呼ばれるものが適用されるためで、かんたんに言えばSM調教というものは自己責任で楽しむのが当たり前の文化がであるということです。
こういったSM業界や文化の成り立ち、現状、背景があるがゆえに、SM調教においては事故や論争が起こりやすいのだと言えます。

個人の意識を高める以外になし

こういった実にあやふやで不安定で前衛的なSM業界に変革をもたらし、より安全で安定したSM業界を確立しようという動きも、最近はあらゆるところで生まれています。
実際にSMクラブやプロを自称する緊縛師が緊縛講習会を開いたり、SMに関する議論をする場を設けたりなどが今現在行われています。

中には今後SM調教はすべて免許制にしてしまおうだとか、国や強力な権限を持つ機関が安全基準を制定すべきだと主張する人も多くなっています。
しかし実際のところ、今現在のほかのあらゆる性風俗やアングラ文化と同様に、そのような主張は結局、価値観の多様化という不可逆で強大な時代の流れの前に屈しているというのが現状です。

人や物や考え方が複雑に絡んでいるところに、一見すると綺麗な定義や規制を持ち出すと、最終的には一部の偏屈な勢力による市場独占や、市場発達の停止と自滅が生まれてしまうというのは実にありがちなパターンです。
そのため結局、SM業界において調教に関わる事故を少なくしていくためには、何よりも草の根運動のような個人個人のモラルと技術の向上、その重要性の流布が不可欠になると言えるでしょう。

緊縛方法

SM調教においてサド、調教を行う側というのは実のところかなり重い責任を抱えているということをまず知っておいてください。
そして調教中の態度はどうであれ、調教される側の健康と感情を第一に考えた行動をとれるように日々気をつけていくことが、SM調教師にとってはなにより大切です。

SもMも関係なく、SM調教という特殊な行為はあくまで自己責任の行為と言わざるを得ません。
あらゆる価値観が急速に多様化している現代社会であるからこそ、自分の行動に全責任を持ち、本当の意味で自由を享受できる現代人となることからまずは始めていくべきでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Optionally add an image (JPEG only)