マゾヒストの心理学③「奉仕の喜びとマゾ」
連載企画「マゾヒストの心理学」も今回で最後。
最後のテーマはずばり奉仕とマゾです。
マゾというのはサドに奉仕をするというイメージがありますね。
このイメージはそもそもマゾの語源となったマゾッホさん自身が女性に奉仕し尽くした人だったこともあって、多くの人が普通に持っている印象だと思います。
が、実はこの奉仕をする精神が実はマゾにはないんじゃないか?と考えている人もいくらか居るようです。
いわくマゾというのはむしろサドから責めという奉仕を受けている存在であって、奉仕とは真逆の存在だというのです。
これについてはたしかに頷ける部分がありますね。
しかしこういった解釈はひとつの解釈に過ぎず、やはりマゾヒストには純粋に奉仕を求めてマゾになる人も居ることを覚えておかなければなりません。
マゾが奉仕をしたい理由
あるマゾ男性の場合は女王様にキスするくらいなら靴を舐めたいと考えるそうです。
いわくキスをすると女王様の口が自分の汚い口で汚れてしまうから、それなら汚い口で汚い靴をできるだけ綺麗にしたいと考えるそうです。
こういった例を見ると、マゾの奉仕精神の裏には支配者に対する崇拝の念もあるようですね。
無論崇拝というのは身を粉にした奉仕が必要ですから、結局マゾというのは奉仕のために生きるという心理を持っているようです。
また、マゾの中でもM女の場合は、女性が本来持つ母性本能がマゾ特有の奉仕精神を生むと分析している人も居ます。
自分の好きな人においしい料理を食べさせたいとか、なにかしてあげたいと願うのは女性の脳が本能的に持っている欲求なのだそうです。
ゆえにマゾヒストというのは比較的女性がなりやすいものと考えられる点、なかなか面白い説ですね。
以上のように奉仕とマゾは切っても切れない深い関係があるのは間違いないようです。
これまでに紹介したマゾの心理も巧みに活用して、サドはマゾにより多くの奉仕を、マゾはサドに対してより多くの刺激を求めてみると良いでしょう。